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問題だけど、問題ないブログ

いつもご機嫌、意地でもご機嫌。機嫌さえよければ当面問題ないんです。知らんけど。

誰かの遺体を発見した時の対応と覚悟しておくこと

知的メイドシリーズ
知的な明朝体で失礼します。
元メイドのあんじょうです。
 
最近悲しいニュースばっかりなので、このさいどっぷり悲しみに浸ろうと思います。
メイドをやっていて、一番キツかった仕事。
それはお客さんの遺体の第一発見者になったことでした。

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お客さんは、早くに奥さんをなくしたリタイア男性。
娘さんも嫁ぎ、気ままな独り暮らしを謳歌されてました。
掃除や片付けが行き届かないということで、メイドのサービスを頼まれたそうです。
 
やや耳が悪くコミュニケーションが取りにくいということで、家の人が不在のお宅として訪問していました。
預かった鍵を使ってお家に入ると、いつも爆音でテレビの音が聞こえてました。
 
でも、その日はシーンとしていて、人の気配が感じられなかったんです。
本当に不在の可能性だってあったのですが、何かが違う気がしました。
 
いつもなら玄関からお客さんのいるダイニングまで軽く片付けながら向かいますが、確認のため直行。
定位置の椅子に人はいません。
これは外出されてるなと思って、作業を始めようとしました。
 
ふと下を見ると。
ダイニングテーブル下から人の足がのぞいていました。
一瞬どきっとしました。ヤバイ倒れはったー!
あわててお顔を確認。
 
その時点ですぐわかりました。
もう亡くなってるって。
仰向けで、目を見開いたまま。
え、これ、どう見ても。
 
その場では亡くなったと認められなかったです。
先週は元気やったのになんでって半分パニックです。
 
でも半分は恐ろしいほど冷静で。
仕事中はプロ意識が働いているのでしょうか。
まず救急車。次に会社へ連絡。
作業の段取りをするみたいに、てきぱきと行動する自分がいました。
 
119番のオペレーターさんにつながって、住所や自分の情報を伝えました。
そのあとお客さんの状態を聞かれたのですが、どうしても「亡くなってます 」の一言が言えません。
まだなんとかなると思いたい。
 
「声かけてください」「返事ありません」
「脈とれますか」「わかりません。冷たいです…」
こんなやりとりだったはず。
オペレーターさんは亡くなってるものとして話してるようでした。涙目。
救急車を出してくれるというので、待機することになりました。
 
その後会社へ報告して、娘さんへ連絡をとってもらい、一息つきました。
遺体だとわかっているので、怖い。
でも認めたくなくて、ドアをあけたまま隣の部屋で待機してました。
掃除はしたらダメなんだろうな、現場保存とかじゃなくて!と訳のわからない想像で気を紛らせて。
 
しばらくして救急車のサイレンが聞こえて聞こえてきました。
その時点では、これでお客さん助かると思った気がします。混乱してますね。
隊員さんを家に通して、お客さんのところまで案内して
「あー、これはだいぶ経ってるなぁ」と言われて涙がこぼれました。
夜中のうちに亡くなっていたようです。
ついに現実を直視しました。
 
悲しいというより、ただただショックでした。
それほど交流があったお客さんではないけど、こんなあっさりいってしまうなんて。
 
地元のお巡りさんがきて、事情聴取されました。
第一発見者なので疑われないように(ミステリーの見すぎ)、正直に包み隠さず答えました。
近所のおばちゃんが「どないしたん、○○さん亡くなってもたん? お姉ちゃんお手伝いさん?大変やな~。なんかあったら言ってや。あ、昨日はこの家ずっと電気ついてたで。変な物音はなかったなぁ」と怒濤の勢いでフォローしてくれましたよ。
ちょっと和んだ。
 
その後、娘さんから電話がかかってきました。
会社からの連絡の時点では倒れたことしか伝わっていません。
「父はどうしたんですか?!」と気色ばんだ声。
自分で言うしかないと覚悟を決めても「わたしが来た時にはもう…」としか言えませんでした。
この瞬間が一番辛かったです。
 
お巡りさんと入れ替わりで県警の刑事さんがやってきて遺体の見聞と現場検証。
会社から営業さんが迎えにきてくれたりと、バタバタしているうちに娘さんが到着されました。
 
ご挨拶してすぐ、手をにぎって「ありがとう、ありがとう」と言われて涙が止まりませんでした。
わたし何にもしてないよ!
一番悲しい人がそんなこと気にしなくてもいいのに!
悲しみと気遣いへの感謝で涙がまた流れました。
 
刑事さんからも聞き取りをされ、帰ってもいいですよと言われた頃には、お客さんもちゃんと布団に寝かされていたみたいです。
お邪魔しないほうがよさそうだったので、刑事さんに伝言をお願いして、営業さんに連れられてお家を出ました。
次の仕事は代理を立ててくれていたようで、わたしは帰宅してゆっくり休んでと言われました。
本当に助かりました。
なんの作業もしておらず体力は有り余っていたのに、動ける気がしなかったので。
 
後日、話を聞くとお客さんは脳卒中?脳溢血?
一瞬で逝けたんじゃないかということでした。
よかったというのも変ですが、一人で長く苦しんだわけじゃないならやっぱりよかった。
心の荷がおりた気がしました。
 
ここまで書いておいて、オチとかないんですけど(。>д<)
 
そのあと少しの間、年配のお客さんの家に伺うのが怖かったです。
医療や介護の仕事をしてる方は、もっとたくさんの死に直面されているんですよね。
その精神力を尊敬するしかありません。
祖父母を小さい頃に亡くしたきりで、はっきりと人の死に直面したことのない身にはきつかったです。
 
何かあったらまず119番。
亡くなっているとわかっているのに119番して、救急車を利用するのは褒められたことではないでしょう。
110番が先という状況もあると思います。
でもたぶん、そんな気にはなれないですよ。
はっきり言われるまで希望は捨てられないものでした。
 
遺体の発見は誰にでも起こることだと思うんです。
しかもそれは自分の家族である可能性が一番高い。
35ともなると、ある程度覚悟もしておかないとって思います。