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問題だけど、問題ないブログ

いつもご機嫌、意地でもご機嫌。機嫌さえよければ当面問題ないんです。知らんけど。

メイドは「自分にしかできない仕事」 だからこそ搾取されやすい。

知的メイドシリーズ

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家事代行「ベアーズ」が大炎上した件について、メイドキャラ名乗るならなんかコメントしろよって自分で思ってました。
炎上ネタを触るのは怖いけど、言いたいことがないわけではないし。
実は知り合いがベアーズに勤めているので、内情いろいろ聞いてるんです。
超言いたい。でもネタ元割れちゃうから書けません。
↓とりあえず、id:hagexさんのこちらのエントリーが誇張でないことは確かです。
 
ベアーズという会社は、富裕層専用だった家政婦を価格破壊し、一般宅でも利用しやすいサービスに変えた家事代行業のリーディングカンパニーです。
わたしの勤めてた会社なんて、ベアーズのコンセプトをほぼ丸パクりでしたもん。
内部があそこまでブラックだったなんて残念でなりません。
 
転職サイトにコメントしているのは、おそらく元正社員の人たちです。
長時間勤務を強いられるとなると、職務内容は客先への営業や、現場スタッフ(メイド)の手配、作業後のフォローアップなどでしょうね。
時間外だろうがお客さんやスタッフからガンガンかかってくる、プライベートなんてあったもんじゃない仕事です。
 
個人宅にスタッフを入れるサービスなので、相性がものすごく大事なんですよね。
そこを読み切れないとクレームを乱発して、仕事がねずみ講式に増えていくんです。
大手のベアーズだと案件も多いでしょうし、わたしの想像をはるかに越えた激務だと思います。
8~22時勤務って、もう会社に住んだほうがいいよね(真顔)
 
家事代行の会社は、多かれ少なかれ同じような状況だと思います。
マネージャーが優秀であれば社員の負担も軽減されますが、ベアーズは役員の発想がアレですからね…
心中お察しします;;
 
わたしは外回り、現場のサービス専門だったので、労働時間的に厳しい目にあったことはありません。
基本は直行直帰。
2時間の仕事が一件しかなければそれで終わりです。
お給料安定しませんよー。
契約が減って手取り10万切りそうな時は、別の派遣の仕事を入れたりしました。
 
激務で固定給がいいか、不安定でも気楽に働くのがいいのか。
そもそも富裕層の家に一日中入るのが一番効率いいやんという話は置いといて。
 
不思議なもので、続けていると指名がもらえるようになるんですね。
「あの人がよかったからまた次も」とか
「わたしの友達の家にも入ってくれる?」とか
辞めるスタッフさんが後任スタッフに推薦してくれることもありました。
 
ちなみに以前書いたメサコンの彼女は指名もらう達人(;´∀`)
 
こうなってくるとすごく仕事が楽しくなるんですよね。
hagexさんのエントリーで引用されていたコメントの

事業も好き、社員も好き、顧客も好きだけど、この月給とこの勤務時間では生きていけない

手取り16万円で朝8時から22時まで働かせるブラック家事代行「ベアーズ」!? - Hagex-day info
ここがすごく刺さります。
 
ホントその通りなんですよ。
家事代行って続けることができれば大好きになる仕事なんです。
 
とある女性経営者に「わたしやったらこんな仕事絶対いややわーw」って言われたことがあります。
「普通には会えない○○様みたいな正直な方と関われるからおもしろいんじゃないですかーw」って素で返しました。
他のスタッフが音をあげる猛者でしたが、わたしはめっちゃ相性よかった。
「あんじょうさん以外が来るんやったら契約切る」とまで言ってもらってたんです。
こういった話は他のメイドさんからいくらでも聞けました。
 
「自分にしかできない仕事」というと何かキラキラした文脈で語られることが多いですが、それって本当は派手なものではなく、もっとずっとプライベートで地味なものなんです。
家族のための家事や、子育て、介護なんかは「自分にしかできない仕事」ですよね。
だって外注するのにやましい気がするでしょ? 少なくとも一回目は。
その時、仕事を放棄する罪悪感だけでなく、「自分にしかできない仕事」を他人に譲らざるをえない敗北感も感じているはずです。
どんな地味な仕事でも、特別と思った誰かのためであれば、無自覚でもプライドが生まれるものなんです。
 
ベアーズの元社員さんたちも「これは自分にしかできない仕事だ」という自負を持ってしまったために、ぎりぎりまでこき使われてしまったんですね。
仕事への誇りが搾取のスキを作ってしまうなんて、本当に報われません。
今回の炎上で少しでも状況が改善するといいのですが、出ている情報を見る限り改善したら別会社ってレベル。
家事代行 女性のためのサービスと位置づけること自体、ジェンダー論的にスキがないとは言えません。
さらに家事を解放されるべき雑務ととらえることで、自らの仕事を低く見積もるパラドックス。家事代行業界は闇が深いというより、光明が見えないと言ったほうがよさそうです。
 
本当の意味で人を家事から解放するには、メイドではなくロボットの進化を待つしかないのかもしれません。