読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

問題だけど、問題ないブログ

いつもご機嫌、意地でもご機嫌。機嫌さえよければ当面問題ないんです。知らんけど。

キリストの妹が主人公! 「神様メール」を観てきました

おススメ

タイトルはこんなんですが、萌え系アニメ映画ではないです!
ベルギーの不思議なコメディ映画。
コメディと言っても爆笑する感じではなく、くすっと笑えてすがすがしい気分になる素敵な映画でした。

【映画パンフレット】 神様メール 監督 ジャコ・バン・ドルマル キャスト ブノワ・ポールブールド, カトリーヌ・ドヌーブ, フランソワ・ダミアン, ヨランド・モロー

 
まず設定がぶっとんでいて、神様がブリュッセルのアパート住まいです。最初から笑かしてくる。
強権的で鬱屈した性格で、書斎のパソコンでゲームをするように世界を支配しています。
天災や戦争を引き起こしたり、「必要な睡眠時間は、常にあと10分」など不快な法則を作って人類をいじめることで暇つぶししてるんですよ。
一緒に暮らす妻と主人公である娘のエアにも暴言を吐きまくり。
やなヤツもいいとこです。
キリスト教圏でこの設定、よく受け入れられたなあ。
 
さんざんな目に遭い続けてぶちきれたエアはついに家出を決意。
まずはクソ親父の鼻をあかすために、世界中の人たちに余命を知らせるメールを送信します。
もちろん世界は大混乱です。
寿命が迫っていて悲しみに暮れる人、そのまま普通に暮らす人、寿命が長いので調子に乗って危険を冒す人などなど。
なんだかギャグ漫画日和の「終末」を思い出してしまいました。全裸になる演歌歌手はおらんけど!
 
さらに、置物になったお兄ちゃんのJC(キリスト)のアドバイスは「新・新約聖書」を作ること。
そのために6人の使徒を見つけるようにエアに言います。
自分の弟子と合わせて18人になれば、なんか起こるかもね~という思いつきらしいです。
こんなゆるいキリストさん、立川でしか見たことないよー。
 
洗濯機を通って人間の世界に降り立ったエアは、最初に会ったホームレスのヴィクトールを書き手として、目星をつけた使徒に話を聞きに行きます。
片腕を失った孤独な女性、冒険心を秘めた会社員、セックス依存症の男性、自称殺し屋、愛のない生活を送るマダム、病弱な少年の6人。
彼らの話がオムニバス形式で語られます。
クリスチャンにしかわからない表現もあるのか、幻想的すぎてついていけない部分もありましたが、シュールで優しい物語ばかりでした。
見どころは圧倒的に「ゴリラと恋に落ちるカトリーヌ・ドヌーブ」です!
 
 
 
↓ここから見た人しかわからないネタバレ感想
 
 
 
 
 
 
キリスト教の人は「神様は心の中にいる」っていいますよね。
神様の家って人の心なんじゃないかと思いました。
神様は「不快感・悪意」の象徴で、エアが「勇気・自立心」かな。
エアがなんどか「わたしは泣けないし、できないことばかり」と言うのも、心の働きの一つを司っているから。
家族物の形をとるわりに、神様とは最後まで和解しなかったのも印象的でした。
あのクソ親父は不快要素しか持ってないんですね。役回りとはいえちょっと気の毒。
 
家の外=他者との関わりで「勇気」を持てば使徒という仲間ができて、「悪意」で関われば争いと不遇。
道徳的に思えますが悪意の反対は善意じゃないのが、わたしの好きなポイントです。
 
家の中を見てみると。
神様の対になる奥さんは「善意・慈愛」あたりを司りそうなもんですが、これもまた違うみたいです。
彼女はきっと「無邪気さ」の象徴。
神様にやり込められて刺繍と野球カードで暇つぶししている時から、18人の使徒が集まって本来の姿を取り戻した後まで、一貫して自分の好きなことしかやってませんもん。
他者に対してどうのといった感情ではないですね。
それでいてみんなを幸せな結末に導いてるんだから、さすがは女神です。
あ、誰しも心の中に幸せの女神を住まわせてるってことか。
 
人間が本来持っている無邪気さは、不快感で小さくなってしまいがちだけど、勇気を出して解放していくことで、同じ世界でもまったく違って見えるんだよというメッセージを感じました。
死という重いテーマを扱っていても、暗さがなくて最高に幸せな気持ちになれる映画です。
 
レイトショーだったので、帰りが終電間近になってちょっとへこみましたけどね!
これはあれだ、クソ親父が復活してきたな。
またウズベキスタンに送ってやる( *´艸`)